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アナトリー・ルナチャルスキー - 革命のシルエット(1923版; 1973訳)

著者:アナトリー・ルナチャルスキー
タイトル:革命のシルエット(Революционные силуэты、Revolutionary Silhouettes; 1923年版)
翻訳:原暉之(1973年訳)
発行:筑摩書房

Анатолий Васильевич Луначарскийアナトリー・ワシリエヴィチ・ルナチャルスキー(1875年11月23日(ユリウス暦11月11日) – 1933年12月26日)は、レーニンらと同時代の革命家、政治家であり、そして優れた教育者だったとされる。

厳しい闘争、革命の後、権力から一定の距離を置くことになった彼はスターリンの時代には対応出来ず(せず)、歴史の陰に埋もれていったのだが、現代においては再評価が進み、その文化・芸術への確かな視点が見直されている…(らしい)。
2015年現在、日本語で彼の著作を読むのは難しい。その数少ないうちの一冊が、同時代の革命家、政治家の人物像を主観的に描いた、この「革命のシルエット」である。
彼やボグダーノフらが関わった「建神論」(God-Building)などについては今後もう少し詳しく調べたいと思っている。

本書の英語版の序文(1967年)は、アイザック・ドイッチャーによる。20数ページほどもあるので、最初にここを読むと、wikipedia以上のルナチャルスキーについての知識は入るだろう。
けれども、ここで披露されている情報が現代どれだけ正しいのかも僕は詳しくは分からない。まぁその人生をあえて捻じ曲げて伝える必要のある人でも無さそうだし、それなりに信用してみるとする。

この本の性格は、著者本人によるまえがきで触れられている。

「本書はわがロシア共産党の同志たちの何人かについて、折に触れて書き留めた一連の印象記からなっている。それは伝記でも人物評でも肖像画でもなくて、ただの影絵(シルエット)にすぎず、また、ありのままの個人的回想をもっぱら素材にしている点に、本書の取り柄と、しかしまた限界もあるということを、まず最初におことわりしておきたい。」

この通り、素朴な文章であることは確かなのだが、実際はスターリンの影響を避ける事は出来ず、1919年版1923年版1965年版という三つの版がある中で、特に65年版ではトロツキーの項目が消去されていたり、23年版ではカーメネフがいなかったりする。訳者後書きの項に詳しいのだが、これが歴史の教科書では無いとはいっても、当時の微妙な政治状況を念頭に置いて読む必要があるだろう。この本の本文自体ではスターリンの姿はほとんど見えてこないのも思わせるものがある。ドイッチャーによれば「欠落は不敬罪にも等しかった」とまで書かれている。

取り上げられている人物は以下の通り。

1.レーニン
2.トロツキー
3.ジノーヴィエフ
4.プレハーノフ
5.スヴェルドローフ
6.ヴォロダルスキー
7.ウリツキー
8.マルトフ
9.カリーニン
10.ベスサリコ

僕はトロツキーには多少の興味があって、彼の本などを読んだりもするのだが(ロシア革命史とかは少し高かったので迷ったけれど)、ここでもトロツキーはやはり独特の存在感がある。

(このロシア語の原文は多分ネットを捜せば出てくるのだろうが、雰囲気までは分かりかねるので今日はひとまず逃げてしまいます。)ただ英訳がこちらにありましたので、参考までに。欠落部分は補われているようで、軽く読んだ限りではこの日本語訳と内容はほぼ同じ。細かな資料的価値(もしくはその間違いなど)は素人の僕には把握しきれないが、同時代人から見た率直な文章は貴重と思われるし、教養ある人が書き残したレーニン、トロツキー像は、特にその二人に興味がある読者には勧められる。

www.marxists.org/archive/lunachar/index.htm



「”なんらかの外国語を自由に使いこなせるか”との問いに対して、イリイーチの確たる回答は「ひとつも」とある。小さい事だが、彼の人一倍の謙虚さを見事に特徴づけるものがある。」P.25

「トロツキーは当時われわれ一同とは違って並外れて上品であり、大変にハンサムだった。彼のこの上品さ、そしてとりわけ、誰彼かまわず見下すようにしゃべる、ある種のぞんざいな話しぶりに、私はひどく不愉快な驚きを受けた。私はこの気取り屋が膝を組みながら、集会で述べようとしている即席演説の概要を鉛筆で走り書きしているさまを、ひどくいまいましい気持ちで眺めていた。しかし、トロツキーはとてもよい演説をした」P.38

「私はつねにトロツキーを大人物とみなしていた。実際、誰がそれに疑いをさしはさむことができようか?~中略~M・C・ウリツキーは、かつて私とたぶんマヌイーリスキーにこう語った事がある。”いざ大革命が到来するとなると、レーニンはあれほど聡明な人であるのに、トロツキーの天才と並べると色があせ始めている”。この評価は正しくないと思われた。ただしそれは、トロツキーの才能と力量を誇張したからではなくて、レーニンが政治家としてどんなに天才であるかがその当時はまだはっきりと見分けられなかったからである。」P.43

「なによりも自らの役割に合致している、ほかならぬ強者の中の二人の最強者、それがレーニンとトロツキーである」P.50
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[ 2015/07/25 21:00 ] Russia関係 | TB(0) | CM(0)

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