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ニュースメーカーズ(Горячие Новости / Newsmakers) (2009/Russia)

ロシアで制作された映画だが、元は香港の映画「ブレイキング・ニュース」のリメイクである。
元の映画は、今や香港の巨匠、杜琪峰(ジョニー・トー)の作品で、僕自身二番目に見た事もあり、とても思い入れがある。ちなみに初めて見たトー映画は、”ザ・ミッション”であった。大傑作…なのかどうか未だによく分からないが、見た人の心に間違いなく残る。僕はトー監督お得意の「食事シーン」は未だにこの「ブレイキング・ニュース」が最も感動的だと思う。

さて、どういう経緯があったのかは知らないが、ロシアでリメイクされる事になった。
Горячие Новостиというタイトルだが、一つの単語は形容詞で「熱い、熱烈な、短気な、多忙な」等の意味があり、二つ目は、「新しいもの・こと、ニュース」の意。


原題:Горячие Новости
監督:Андерс Банке
製作: Сэм Клебанов, Анна Качко
音楽:Энтони Лледо
脚本:Сэм Клебанов, Александр Лунгин
上映時間:103分
出演:
Андрей Мерзликин
Евгений Цыганов
Мария Машкова
Сергей Гармаш
Максим Коновалов

wikipediaでは、時間が147分と書いてあるが…。エフゲニー・ツィガノフは謎の総突っ込み映画「ラフマニノフ/愛の調べ」で主演していた人。

映画の大筋は香港版と同じ
・まず武装集団を秘密裏に追う警察官が彼らのアジトに張り付く。そこで連携のミスから期せずして銃撃戦が始まる。
・場所を移動しながら市街地に入り、更に続く銃撃戦の最中、まったく関係ないところにいた警察官が犯人の一人に手を上げて降伏の表情を浮かべる。
・その姿と、恐怖から泣く警察官のインタビューが偶然取材に訪れていたカメラに残り、TVに放映される。
・警察の威信は地に落ちたが、ある女性警察官が逆にマスコミを利用してイメージ向上を図ろうという案を出す。
・それは犯人逮捕の一部始終をTV、インターネットを通じて放送する「リアリティ・ショー」であった…。

このロシア版を見ていて、少々不快だなぁと感じたのは、女性の描写なのだが、アジア的な感性が抜け落ちていて、原作が香港であっても、やはりロシアの映画になっているなぁというところ。個人的にロシア語を少々勉強した事もあって、この国と文化には少なからぬ興味があるのだが(警察や政治などはよく知らない)、ここはアメリカ等と違って、良くも悪くもやはりまだ男性の国だ。例えばLGBTの問題をとっても、ロシアでゲイの扱いはひどいものだった(し、今もひどいだろう)。それがいい方に作用するところも勿論たくさんあると知ってはいるのだが。
アメリカにも同じ問題はあるが、それでも建前というのは存在する。そのあたりの話はともかくとして、この映画の重要人物である女性警察官がどうも馬鹿っぽく見える。男性社会である警察機構や特殊部隊に軽々しく入ってきやがって、みたいな居心地の悪さが映画の中にある。

まあそれを除けば、食事シーン、リアリティ・ショーの崩壊、最後の脱出トリック(というほど大げさでもないが)、犯人リーダーのケジメ、などほぼ同じなので安心して見れる。ただトー監督お得意の銃撃戦シークエンスについては、さすがにロシアだけあって現実味を増した演出になっていて、これはこれで上手い。…それはそれでいいのだが、香港版の伝説的オープニングのような映画的快感には全くつながらない。僕はあれを息をするのも忘れて観ていたタイプだが、現実味が無いとして興醒めする人がいたとしても驚かない。

それから食事シーンについて、犯人側に対抗して、警察も仕出し弁当を用意する、というコミカルな部分が原作と同じくあるのだが、それがちょっと変。”ヤンさん”のお店に電話して、宅配してもらうのだが、それがスシ。まあ今はロシアにも日本食は結構あって、スシもそこそこ浸透してはいるのだが、それにしても中華じゃいけない理由でもあるのだろうか…(ちなみにロシア語の”レストラン/ресторан”は日本語のイメージよりも高級なお店です)。いかにも使い慣れていない箸で弁当を食べるロシア人警察官たちはちょっと面白い。警察の長官の部屋の背後に日本刀らしきものがあったり、区別がついていないだけという可能性も…。

個人的には見て良かったと思うが、広くおススメする気にはなれない。
ただ原作の「ブレイキング・ニュース」は傑作に類するので、そちらはどうぞ。
原作がとても好きな人であれば、比較のために見る価値はある。

ジョニー・トーの最高傑作は今のところ「エグザイル/絆」であると言われているし、僕自身それは正しいと思うが、個人的な思い入れでは「ザ・ミッション」がやはり気に入っている。
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[ 2015/05/29 00:00 ] Movies | TB(0) | CM(0)

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