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田中芳樹 - 晴れた空から突然に…(1989)

銀河英雄伝説」等々で知られる田中芳樹の単刊作品の一つ。
長編の合間合間というか、89年に書かれている。まあその辺の長編をよく知っているというわけでもないけれども、非シリーズ物はややマイナーなので自分の備忘録的に書いておくことにする。

一言でいえばちょっとぬるめで甘めの冒険小説だった。
日本初の飛行船「飛鳥」の中で繰り広げられる陰謀と戦いに主人公の考古学者、梧桐俊介が立ち向かうことになる(特に語られる事はないがこの研究対象はさすがにというか当然中国を含むアジアである)。まず飛行船という設定には著者の言う通りロマンがあっていいなあと思うが、如何せんちょっと陰謀のツメが甘かったかと。日本の化学研究所の陰謀から偶然生まれ出たゾンビも出てくるのだけれど、どうも切迫感が無い。

そのあたりの原因は多分会話の流れの悪さだろう。
紹介しきれないくらい数々の名言を残してきた著者だけれども、ここでは登場人物に語らせると内面を逐一丁寧に文字にしていくのが過剰だ。紋切型の登場人物から紋切型の説明台詞しか出てこない。飛行船の中でやたらと子供に食い掛かる人物などは少々不快ですらあった。

そう呼ぶには少し幼いが本作のヒロイン、しっかりした行動的な少女の名前は「日記(読みは”にっき”」。珍しい名前にはそれに相応しい舞台があるといいのだが、そうはならなかった。結局、主人公は本文中で書かれている通り、相手のエラーの間に得点するような形で事件を解決してしまうので、もう少し日記に活躍する余地とコンビネーションが欲しいと思った。主人公の俊介と日記はさすがに田中作品のキャラクターなのでそれなりに魅力がありそうな感じはある…がそれが描かれているかというと首を捻る。

それから暴力描写がとても中途半端にほんの少しだけ出てくるので、そういうのを排したり、登場人物のゆったりとした雰囲気を活かした方が良かったのなあと。まあファンでなければおススメするほどではないかもしれない。
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[ 2015/04/03 22:00 ] Books | TB(0) | CM(0)

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