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上遠野浩平 - 恥知らずのパープルヘイズ (2011)

著者:上遠野浩平
タイトル:恥知らずのパープルヘイズ - ジョジョの奇妙な冒険より -
発行:2011
一言評価:ライトノベルブームを生み出した作家の一人が、日本を代表するコミックをノベライズ。これだけを読んで成立するわけではないと思うが、ジョジョ第五部まで読んだ人ならば読んで損は無い。パンナコッタ・フーゴと”組織”の後日談となっている。公式設定であるのかは分からないが、面白いつながりも見えてくる。
確かにジョジョのファンだけれど、熱烈な大ファンというわけでもないのに、現時点で連載中のジョジョリオンを除いて、漫画は全部読んでいる。僕は裏話や、裏設定には通じていないけれども、それくらいジョジョは日本の漫画読者には浸透している。個人的な好みとしては、ジョジョ五部は特に素晴らしいと思う。思い入れがあるわけではないけれども、ストーリーがダイナミックだし、人物の造形やファッション、構図(決めポーズ)なんかもこの時が完成形だと思った(そして言うまでもなく作者のセンスは意識的な変化と深化を続けている)。ただキャラクターをあげて楽しむわけではなかった。二部だったら、「二部が好き!」というより「シーザーが好き!」と言うだろうし、実際にジョジョファンと会話する時にはそう言ってきた。五部のキャラクターはどれも独特の生々しさがあって、そこを見つめると何となく自分にも嫌なものが跳ね返ってきそうな感じがある。
そういうキャラクターの代表がパンナコッタ・フーゴであるだろうし、彼が物語原作の後半で仲間を”裏切る”シーンなんかは、リーダーについていく他のキャラクターと対比して「確かに自分だったら」…と”思うほど自分を投影させて読むストーリーではない”のにも関わらず、フーゴの存在は明らかに特別だった。

第四部では悪役すら魅了的だった。しかし悪役なのにあれだけ魅力的では正義は半分くらいしか成立しない。第五部では徹底的にディアボロは悪だった(柱の陰に隠れながら本当の姿を現すシーンは痺れるほどカッコいい屈指の名シーンだが)。
その象徴が人の意志を蝕む麻薬である。このノベライズ版では、フーゴが生まれ変わった組織から(ジョルノから)の命令を受けて、組織のメンバーと共に麻薬の元締めを狙う、というストーリーになっている。

勿論この時点で、ブチャラティのチームは既に無く、というか、ブチャラティ、アバッキオ、ナランチャは過去の人であるわけだが、彼らの存在を思い起こしながらいかにしてフーゴが自分の内面と向き合うか、その中でこの三人への印象が変わっていく。特にブチャラティには、ただ彼についていけばいい、という安心感が五部を読む間いつもあって、それが「理想の上司」とかファンの間で言われる事にもつながるのだけれど、ならブチャラティ自身は一体どうすれば良かったのだろう?という事にフーゴが思いをはせるシーンなんかはかなりグッときた。
”スタンド能力”の性質は、本人の性質と大きく関わる。ならばフーゴのスタンド、”パープルヘイズ”があれだけ狂暴で、本人でさえ飲み込みかねない扱いにくいスタンドである理由とは。この作品のスタンドは、どれも内面の描写を必要とするところがあって、それが漫画より小説に合っている(とはいえ多分漫画だったとしてもダイナミックに描いてしまうと思うけれど)。そういう意味ではフーゴと同じ追跡メンバーである、シーラEも影の主人公と言える立場にある。

この作品で、ジョルノ・ジョバーナ本人はほとんど姿を見せない。そもそも新入りだったジョルノはフーゴにとっては他のメンバーほどのつながりがあったわけでもないので、思い起こすとしたらやはりブチャラティ達になるのは当然か。ファイブスターストーリーズにでも出てきそうな神々しさで作品全体に光と影を落とす。ジョルノを見ると、自らと向き合っているような気分になる、なんてほとんど人間とは思えない存在感である。これではほとんど神様のようだなぁという違和感が抜けなかったのは事実だけれど、もしかしたらジョジョのシリーズの中では彼が一番そういう役目に相応しいのかもしれない。

ちなみに僕が好きなのは、五部、二部…なのだけれど、本質的に一番の傑作は六部だと思うし、一番面白いのは七部かなぁという気もする。色々な要素があって、とても一言でまとめるのは難しい。このノベライズは明らかに成功だと思う。まさにジョジョシリーズの一つとして読むに相応しかった。
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[ 2015/02/22 00:00 ] Comics | TB(0) | CM(0)

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