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Queensryche - American Soldier (2009)

Artist : Queensryche
Album : American Soldier
Artist Memo : 80年代から活躍するプログレメタルの雄。メッセージ性の強い楽曲、確かな演奏力は、多くのメタルバンドに影響を与えた。特にボーカルのGeoff Tateの才は圧倒的。
Release : 2009
一言評価 : OM2を(理由はともかく)除けば、Promised Land以来の傑作。メッセージ、ドラマ…プログレの精神は受け継いでいるが、円熟したライブバンドらしい活き活きとした演奏の復活こそが今作の魅力。
一曲目のSliverのギターリフが流れた瞬間、「もしや評判の悪い荒っぽい路線か?」と思ったが、次に入ってくるドラムとベースに驚いた。ここ十年ほどバンドを悩ませていたように個人的には思われる、Scottのドラムがこの作品では実にグルーヴィーでヘヴィだ。
迷いが無く、表現すべき何か、を持っている。意思のはっきりした音楽になっているのだ。
Geoff Tateの表現力豊かな歌はそれだけで演劇的な音楽性をリードする。今作のコンセプトは、「アメリカが戦争をし続ける意義を見直す事」。現代の世界の色々なところに目を向ける事になってしまう。Operation Mindcrimeからついに離れた彼らだけれども、その過去を活かして、今まで積み重ねてきた演出方法を新しい段階に昇華させたと私は感じた。
決して派手ではないけれど、この深みを長く味わっていたい


Scott Rockenfieldは専門的な勉強はしていないようだが、若い頃にかなり練習したようで、80年代の黄金期には実に洗練されたプレイを披露していたが(多くのロックドラマーに影響を与えたであろう)、ある時期からシンプルなプレイに徹するようになった……はずが、いざやってみるとシンプルなビートにどうも迫力が無いという悪循環に陥っていた。
独特の演奏をする人は、微妙なズレが生じると、中々取り戻せなかったりするものだ。高い目標を見失った事や、枷が外れてしまったせいかもしれない。
何かを見失っても不思議ではないくらいRage For Order, Operation Mindcrime, Empire, Promised Land...この四作の完成度は高かった。一つの手法で頂点を極めて、新しい道を探す事をこれだけ繰り返したのだから、その苦労と消耗の度合いをファンは想像して、裏切られたとか過激な言葉を使いながらもどこか心の端でこのバンドの事を気にしてしまうのかもしれない(何をやっても話題にすらされないバンドがたくさんあるのだから…)。
本人がどう思っていたかは分からないが、そのドラムプレイは演奏の硬直化を招き、Queensrycheの魅力の一つである多彩な感情表現を消してしまったと私は思う。今や彼はトップドラマーではないのだろうか。一つ一つのプレイは今のプログレッシブバンドのドラマーと比較は出来ないかもしれない。しかし長年の経験と、バンドの一体感はここにきて新たな局面を迎えたようだ。こういう円熟の道を辿るメタルバンドはあまり見かけない。
楽曲に彩りを与えた名料理人Chris DeGarmoが去った今、バンドの一体感という言葉が多少の単調さを意味するとしても……。Eddie Jacksonのベースプレイは相変わらず素晴らしいうねりがあるが、Queensrycheの演奏能力はもはやメタル的な正確さではない。Michael Wiltonのプレイも決して技術的には上手とは言えない。Chris DeGarmoのようなタメ(タイム感)をコントロールする繊細なワザは元々無かった。
それでもアイディアや技術以上に彼らにしか表現できない重い何かがある……。そんな思いを新たにした。それは誤解を恐れずに言えば、少なくともこのアルバムはRushPink Floydの領域に食い込んだのではないか。

さて、Geoff Tate。Queensrycheはこの歌が無いとはじまらない。
元々メタル畑の人間ではないとは言われるけれども(Michael Kiskeも同じような事をよく言うが…)、これだけ重厚な演奏に相応しい重厚な歌唱を聞けるのは、このバンドだけだ。
この表現能力で隠れがちだけれども、元々甘いメロディというのは少ないバンドだったと思う。とはいえ今作ではいいメロディがある。メロディだけが世界観をリードしていく音楽性ではないのは重々承知の上で言うが、どの曲にも、世界観の一つとして大事な役目を担うメロディがあると思う。深く考えさせられるところの歌詞と、それを盛り上げるナレーションSEなどと同じように。Geoff Tateに充実した脚本を与えている。

PVが作られたリードトラックの、If I Were Kingは地味なアルバム中、最も地味な曲なので、何故だろう?と思った。若いファンには、Man Down!の方がいいのではないかしら。それに髪の長いGeoff Tateは正直そんなにカッコいいとは思えないのだが……。
もう一つのPVが作られたHome Againは、とてもいいバラード。何が泣けるのかと言われるとちょっと困るけれど、とても人間的で、優しい。日本人に伝わるのだから、アメリカのターゲット層には響いただろう。

バンドの状態は、ファンが思うよりずっといいような気がする。ライブバンドとして徹底的に鍛えられている。 この時期の来日をみたが、満員とはいえないハコでも彼らは一切の手を抜く事無く完璧な演奏を聞かせてくれたことに本当に感動した。



::Best Tracks::
#01 - Sliver(グルーヴィー!)
#11 - Home Again(Geoffの娘とのデュエットが妙に泣けるなぁ。子供がいたらもっと泣けるのかもしれない)

::アルバムをより深く味わう為の一曲::
#10 - Remember Me(深く…深く…)

::演奏::
Geoff Tate - Lead/Backing Vocals; Horns
Michael Wilton - Lead/Rhythm/Acoustic Guitars
Eddie Jackson - Bass Guitars
Scott Rockenfield - Drums
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[ 2011/12/25 22:00 ] M/HR/HM | TB(0) | CM(0)

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